このところ巷ではコロナウイルスの話題で持ちきりですが
「よくわからない・得体が知れない」というところにたくさんの人が恐怖を覚えるように感じます。
いつも私がレメディーの説明の前に長々と症状の話をするのは、知ることで怖いという気持ちを減らしてもらいたいからです。
例えば一人目のお子さんで脂漏性湿疹が出て
「赤ちゃんの頭や顔に出来た白っぽいかさぶたみたいな物は何だろう?」
「このままとれなかったらどうしよう」
「とって傷になったらどうしよう」
などという気持ちになります
でも、脂漏性湿疹について調べると
「無理に白いかさぶたみたいな物をはがさなくても大丈夫」
「ベビーオイルでふやかして、お風呂で優しく洗うとだんだんはがれてくる」
「むりにとらなくても多くの場合、そのうちきれいになる」
ということがわかります
症状について不安になったら、慌てないで症状について知ることが大事です。
不安が減ると、お子さんの症状をよく観察することができるでしょう。
そこにホメオパシーのレメディーキットが有れば症状からレメディーを選ぶことが出来ます。
ホメオパシーのレメディーは自己治癒力を触発して治癒に導く物です。
子供の自己治癒力はお母さんの笑顔やスキンシップで大きくなります。
お母さんが大丈夫と言ってあげることが大きな力になるのです。
さて、話を湿疹と蕁麻疹に戻しますが
お子さんの肌に何か出来ていたり痒がったりすると何か塗り薬を塗ってあげたくなるものです。
何か塗った方が用という人や何も塗らない方が良いという人、たくさん意見はあるのですが、私個人の意見としては、自分もしくはお子さんが心地よいと感じる方法が良いのではないかと思っています
保湿をすると好転する人のために、おすすめのアイテムをご紹介します
たくさんあるので、今回は質問されることの多い、ホメオパシージャパンのレメディー入り蜜蝋クリームについてお話しします。
主成分はツバキ油、ミツロウ、トウキンセンカ花エキス、(+Cクリームのみセイヨウオトギリソウエキス)エタノール(サトウキビ由来)、トコフェロール(ビタミンE/大豆油、菜種油由来)のみ。
乳化剤、安定剤、着色料、合成化学香料、酸化防止剤は使用していないので口に入れても大丈夫です。
・スパジリック ビーC(配合レメディー・Calen. Hyper. Sil. Calc-f. Kali-p. ほか)
通称CクリームのCはCalen(カレンデュラ)のCです。
カレンデュラとハイペリカムのマザーチンクチャー(トウキンセンカ花エキスとセイヨウオトギリソウエキスのこと)とレメディーも入っていますので、傷の癒やしがCクリームのテーマです。
すり傷、切り傷、火傷、など怪我の場面に使うと良いです。口に入れても大丈夫なので、赤ちゃんに噛まれて傷になってしまった乳首や口内炎にも使うことが出来ます。
また、痒くてかきむしって傷になった皮膚の修復を早めてくれます。
よく、掻き壊して傷になってしまったものが痕になってしまうのではと心配される声を聞くのですが、掻き壊した傷は痒みの原因が無くなれば掻かなくなり、掻かなくなるとすぐにつるつるのきれいな肌になっていきます。心配はいりません。痒いときは掻かせてあげて大丈夫です。
さらによく聞くのが、お姑さんや実家のお母さんなどに、こんなに痒そうなのに何も塗ってあげないのか、かわいそうだと攻められて辛いという声です。
おばあちゃん達はお母さんをいじめようとこんなことを言っているのではありません。
孫が心配で、何かしてあげたいから言っているのです。
こんなときはこのCクリームの出番です。
こどもを預かってもらうときには、「痒がるときはこのクリームを塗ってあげてください」とクリームを渡してみましょう。孫の痒そうな皮膚に何かしてあげることがあると、安心してくれるはずです。
Cクリームは痒みを抑えてくれるわけではないのですが、保湿で痒みが楽になるタイプの人には痒みの緩和になると思います。
すり傷や火傷の時の具体的な使い方もお話ししたいのですが、長くなるのでまたの機会にしますね。
・スパジリック ビーTu(配合レメディー・Calen. Thuj. Sil. Calc-f. Kali-p. ほか)
通称TuクリームのTうはThuj(スーヤ)のTuです
乾燥した皮膚や発疹、イボ、虫刺されに良いクリームです
ただ、このクリームは排出を高めてしまうこともあるため、アトピーの方は使ってみて痒みが増すようなら痒みに使うのはやめておいた方が良いかもしれません。
配合されているThujはイボのレメディーですので、イボや魚の目にすり込んでやると良いです。子供のイボには特にいいです。薬を使う前に試してみてほしいです。
・スパジリック ビーR(配合レメディー・Calen. Arn. Hyper. Rhus-t. Sil. Calc-f. Kali-p. ほか)
通称RクリームのRはRhus-t(ラストックス)のRです。
Rhus-tはアメリカツタウルシですから、ウルシ(漆)と言えばかぶれです。
かぶれたような皮膚の症状(激しいかゆみ、赤い発疹、大きさのまばらな水疱ができる)に使うことが出来ます。
なので、とびひやヘルペス、帯状疱疹、水疱瘡、ジュクジュクしたアトピーなどに使うと良いでしょう。
また、Rhus-tとArn、Calen、Hyperという怪我や打撲、捻挫などに良いレメディーが配合されていますので、肩こり、筋肉痛、腰痛などの関節痛、打撲などにも使えます。
・スパジリック ビーG(配合レメディー・Calen. Aloe. Nit-ac. Sil. Calc-f. Kali-p. ほか)
通称GクリームのGはGraph(グラファイト)のGです
Graphは皮膚のひび割れや亀裂のレメディーですので、唇が切れたときやあかぎれ、痔の様々な症状のようなデリケートな部分の問題に良いです。
また、配合されているAloeは痔核によいレメディーで、Nit-acはイボのレメディーです。
痔核は切ってはいけないと授業で習いました。心臓に負担がかかるからだそうです。痔核がでたらこのクリームをつけて押し込んでおきなさいと習いました。
また、全てのクリームに共通して入っているSil、Calc-p、Kali-pは多分ティッシュソルト(ホメオパシー版のミメラルサプリメント)です。SilもCalc-fも、皮膚の弾力と張りに関係しており、Kali-pは細胞の組織形成に不可欠なミネラルです。これらを補うことは傷の治癒を促進したり、傷跡が硬くならないように働いたり、皮膚の再生にも貢献します。
湿疹と蕁麻疹のレメディーも紹介しておきましょう。
湿疹のレメディー
Ars アーセニカム
とてもかゆくヒリヒリ焼けるような痛みがある
体が冷たく、暖まると好転する 夜中に悪化する
Bry ブライオニア
乾燥が酷い発疹
Nat-m ネイチュミア
湿った湿疹で痒みはあまりない
水っぽい湿疹
Merc マーキュリー
黄色の膿がある
Rhus-t ラストックス
湿疹は赤くひどい痒みがある 水疱がある発疹 乾燥している 夜に悪化する
Sulph
湿疹は乾燥しており非常に痒い お風呂や布団で暖まると悪化
ただしこのSulphは夜中に痒くて眠れないときで、上記のレメディーを使って効果が無かったときだけ使いましょう。酷い痒みで眠れないときだけです。
Sulphは解毒を促進するレメディーですから、気軽に使うと痒みが悪化することがあります。
また、長引くときはホメオパスに相談することをおすすめします
蕁麻疹のレメディー
Apis エイピス
赤くぷっくり腫れる蕁麻疹(焼けるような、刺すような痛みがある)
触ると熱く、冷やすと好転する 夜に悪化する
Ars アーセニカム
痒みが強くヒリヒリする 温かいお湯につかると痒みが和らぐ
Merc マーキュリー
ジュクジュクと膿が出るもの
Nat-m ネイチュミア
暑さや寒さ、過労、感情的なこと、日光にあたることから生じるもの
Puls ポースティーラ
脂っこい食べ物を食べたことからおこるもの
Rhus-t ラストックス
イライラして落ち着きが無く痛がゆい 寒さから生じる蕁麻疹 熱が出ているときに出る蕁麻疹
Sulph ソーファー
非常に痒い お風呂や布団で暖まると悪化
ただしこのSulphは夜中に痒くて眠れないときで、上記のレメディーを使って効果が無かったときだけ使いましょう。酷い痒みで眠れないときだけです。
Sulphは解毒を促進するレメディーですから、気軽に使うと痒みが悪化することがあります。
また、クリームやレメディーを使って長引くときは慢性症状であることが考えられます。
このようなときはホメオパスに相談することをおすすめします
薬を使うことについて
子供の湿疹をステロイドなどでおさえると、咳や喘息になって出てくることがあります。
中医学では皮膚と肺は関係しあっていると言っていますが、なるほどと思います。
私の小さな甥っ子は湿疹にたった1回、弱めのステロイド軟膏を塗っただけで、皮膚はすぐにきれいになりましたがその後すぐにしつこい咳で昼間も夜も2ヶ月以上悩まされました。
レメディーを使っても咳が治まるまで2ヶ月かかったのです。
こういう話をするとステロイドは怖い!となってしまいますが、ステロイドは命に関わる場面では大きな力を発揮する物でもあります。
甥っ子はステロイドでしつこい咳が出てしまいましたが、何年使っても肺には症状が出ない人も居ます。
人それぞれ臓器の強さも、薬に対する耐性も全く違います。
皮膚の症状はだから難しいです。
しかし皮膚に出ているのは丈夫な証拠でもあるのです。
喘息のクライアントさんがだんだん改善していく過程で
蕁麻疹がものすごく出て眠れないほどになったことがありましたが
咳で息が出来なくて眠れないより、全然楽だとおっしゃっていました。
表面にあって見えているうちはまだ軽いのです
表面から症状を無理矢理消してしまうと、より深い病気になる
ホメオパシーの治癒の法則は上から下へ、中から外へと症状がうつっていき、治癒に向かいますから、薬を使って抑えるのは治癒の法則の逆になるわけですね。
しかしどう頑張っても痒みで何日も何ヶ月も眠れない場合、薬を使うことも必要なときがあります。
これは他の疾患にも言えることです。
命の危険があるときは薬の力を借りる事は大事です。
咳で息が苦しいときにはいったん呼吸が出来るように薬を使う。
痒みが酷くて眠れないときはいったん眠れるようにして体を休める。
柔軟に薬も怖がりすぎず、受け入れるときは受け入れる。こうして病気と向き合うことで人生の学びが深まっていくのです。
そして落ち着いた後に食事やレメディーや他の伝統医学でゆっくり根本的に症状を改善させていくことが理想かなと思っています。
出典
・ホメオパシーin Japan 由井寅子著 ホメオパシー出版
・シノプティックマテリアメディカ フランス・ヴァーミューラン著 ホメオパシー出版
・シュスラーのティシューソルト12種類 マテリアメディカ編
ウィリアム・ボーリッケ/ウィリス・A・デューイ著 樫の木堂
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