夏に流行する感染症、とびひ(伝染性膿痂疹)。
子どもに多い皮膚の感染症ですが、子どもから大人にうつる場合もあります。
とびひは「黄色ブドウ球菌」「連鎖球菌」という細菌に皮膚が感染して発症した状態のことです。
皮膚にすり傷、虫刺され、かぶれ、湿疹などを掻き壊したような弱い部分に感染しやすいです。黄色ブドウ球菌は鼻の穴に常在しますので、鼻をほじっているうちに広がる事もあります。
症状はまず痒い小さな水疱が出来て、その後かさぶた状になりますが、化膿した漿液が流れ出ます。
リンパ腺が腫れてきたり、火傷のように剥けてきたり、膿瘍が出来たりしたときはブドウ球菌感染が出す毒素によるアレルギー反応の可能性があります。おかしいと思ったら病院に行く事も大事です。
爪で患部を引っ掻くことで体中に広げてしまいます。(とりあえず爪を短く切ることが悪化を避ける1つの方法になります)
これをお読みになっている方は薬を使わないで自己治癒力で病気を乗り越えたいと言う方が多いと思いますが一応現代医学の薬について触れますと、
一般的な病院での治療は抗菌薬入りの塗り薬や飲み薬です。
抗炎症剤やステロイドはかえって悪化させる要因となりますので、気をつけてください。
大人の場合、健康で免疫がしっかりしていればうつりにくいのですが、免疫力が低下しているとうつりやすくなります。
とびひは自然に治癒していく事が出来るはずですが、完治するまでには時間がかかります。
家庭で出来るホメオパシーを使った予防的手当
下着を清潔に保つ(夏場は汗をかいたらこまめに着替える)
掻き壊しをよぼうするため、爪は短く切って、手を清潔に保つ
虫刺されやかぶれ、あせもは早めに対処する
・虫刺されのレメディー:Apis
・かぶれのレメディー:Rhus-t
・あせものレメディー:Calenのマザーチンクチャーを500mlの水に10滴ほど入れた水で湿らせたタオルでこまめに汗を拭く。または汗をかきやすい部分にスプレーして拭き取る
・掻き壊してしまったら:傷口を広げないように保護する。傷の手当てと同じように、蜜蝋クリームを厚く塗ったガーゼを当てる等)
ホメオパシーでの予防プログラム
予防にはノゾース(人間、動物、植物の病原体を含む組織から作られたレメディーの総称)を使います。
Streptococcinum(ストレプトコカイナム:連鎖球菌ノゾース)200C
Staphylococcinum(スタフィロコカイナム:ブドウ球菌ノゾース)200C
夜寝る前にこの2種類を(1つずつでも2ついっぺんにでもいいです)口に入れて、5分後にもう一度とります。
これを3日続けます。
基本年に1回で良いのですが、身近で流行してきたらもう一度行っても良いですね。
(一度かかって薬で抑えたことがある場合、かかるかる可能性は高くなると思います)
かかってしまったら・ホメオパシーによる手当
かかってしまったら患部を清潔に洗うことが大切です。石けんを使っても大丈夫です。石けんは手で泡立ててこすらず優しく洗いましょう。
入浴よりもシャワーをおすすめします。1日1回以上シャワーで洗い、他の家族にうつることを防ぐために湯船に一緒に入ることや、タオルなどを共有しないようにしましょう。
掻かないように患部を保護することも有効です。
洗濯物は他の家族の物と一緒に洗っても大丈夫です。
とびひは治癒するまでに、レメディーを使っても1ヶ月くらいはかかると思っておいてください。あせらず、気長に免疫をつけましょう。
レメディー
予防にも使えるノゾース
Streptococcinum(省略形Strept ストレプトコカイナム:連鎖球菌ノゾース)
Staphylococcinum (省略形Staphyl スタフィロコカイナム:ブドウ球菌ノゾース)
30Cでも200Cでも良いでしょう。
主要レメディー
Antim-crud (省略形Ant-c アンチモクルード)
このレメディーの選択は精神面と胃に現れる症状によって決まる。
自分の消化能力以上に食べる傾向。このため精神面と皮膚の症状は胃腸障害による。
不機嫌で怒りっぽく、見られることや洗われるのを嫌う。膿疱が出やすい傾向、極度の痒み、寝床で温まると痒い。
Nitric-acid (省略形Nit-ac ニタック)
環境に耐えられないことからの落ち着きの無さ、あらゆる外的影響に関して敏感
健康への不安、嘆き悲しみながら苦痛を訴える
分泌物は表皮剥離を引き起こす、皮膚のびらん、ひび割れ、執拗に化膿する患部
補足レメディー
Ars (アーセニカム)
非常に落ち着きが無い、居場所を換え続ける、深夜に悪化する、
焼け焦げたように見える患部、血の混じった分泌物、刺激性の分泌物、小水砲、患部の灼熱感
Hep (ヘパソーファー)
神経質で不機嫌な子供、傷は全て化膿する、多量で濃厚な膿、分泌物が臭い
Kali-bi (ケーライビック)
耐えがたい痒み、患部の露出、歩行、暖かさで悪化、血の混じった臭い分泌物、切られるような痛み、灼熱感、
Rhus-t (ラストックス)
発疹を引き起こす粘液生の分泌物、虫が這うような感覚、小水砲性の発疹、湿った発疹、灼熱感のある痒み
Mezereum (メザリューム)
皮膚の過敏症、焼けるような痒み、耐えがたい痒み、お風呂で温まると痒みが悪化、発疹から刺激性の分泌物や粘着性の微量の液体
レメディーをどのくらい、どういう頻度で使うのかは症状や、使う人のレメディーへの反応にもよりますのではっきり書くことは出来ません。
様子を見ながら症状に合わせて使いましょう。
分らないときはホメオパスに相談してください。
参考文献
ホメオパシー的予防 由井寅子 著 ホメオパシー出版
キッズトラウマ 由井寅子 著 ホメオパシー出版
急性疾患をホメオパシーで治す ディディエ・グランジョルジュ 著 ホメオパシー出版
ファタックのマテリアメディカ S.R.ファタック 著 ホメオパシー出版
シノプティックマテリアメディカ フランス・ヴァーミューラン 著 ホメオパシー出版
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